「炎の転校生」は島本和彦先生の代表作の一つです。
主人公「滝沢 昇」は生徒に必要以上の圧力をかけている、もしくは良からぬ企みをしている高校に出没し、その悪っしき行為を完璧に打ち砕いて去っていくという恐るべき転校生です。正に ” 炎の転校生 “のタイトル通り…
後半では正義の「秘密教育委員会」VS 悪の「裏の教育委員会」の対決の物語へ。
「炎の転校生」とは滝沢が秘密教育委員会に加入したときに付けられた、彼のコードネームでもあります。
ヒーローや特撮ものが好きな島本先生のパロディギャグも楽しいのですが、ギャグマンガをストーリーマンガの世界観ですさまじい勢いを持って展開する、考える隙を与えない作品そのものが最大の魅力です。
今回は主人公・滝沢 昇のライバル・伊吹 三郎からのパワーワード!!
自分勝手なようだが “一理ある” と思わせる、不思議な説得力をもっている…
” 心に棚をつくれッ!! ” ~「炎の転校生」の名言による正義執行の教え~ -炎の転校生 6巻:伊吹 三郎-
全てのことを「戦い」で決めるという、正に「弱肉強食」を教育方針に掲げる弱肉学園高校に転校してきた滝沢。そしてその方針の元、様々な戦いに勝ち抜いてきた。
弱肉学園での戦いはいよいよ最終局面。学園の方針の撤廃を掛けて、弱肉学園側5人 VS 滝沢側5人による団体戦を行うことになった。
滝沢側の2勝1分で迎えた第4試合。競技種目は「自由格闘」で滝沢は技北先生と激突。
互いの必殺技が炸裂しあう激闘となったこの試合。いよいよ滝沢の渾身の必殺技「滝沢国電パンチ」が技北にクリーンヒットし、勝利目前かと思われた瞬間にアクシデントが発生!? 滝沢は技北に敗北する…
迎える決戦の第5試合、滝沢チームの5人目の城之内はまだ、姿を現さない。
まさか、試合放棄してしまったのか…?!
自分は負けてしまったが…
試合会場に現れない城之内に制裁を加えてやりたい滝沢。
しかし、自身も試合に敗れているため、城之内をとやかく言う権利はないのではないか、と悩んでいた。
そんな時に、滝沢の同志であり、ライバルでもある伊吹 三郎が言った…
” 滝沢… 心に棚をつくれッ!! “
伊吹曰く、
普段自分はポイ捨てをしているが、他人のポイ捨てを見て許せなくなった。
しかし、普段自分もしている行動だけに、普通の人の感覚では注意できない。
そんな時、心の棚に「ポイ捨てしている自分」を一旦、置いておいて、ポイ捨てしている人を注意すればいい。
つまり、
「負けた自分」は一度、心の棚に置いて、試合放棄の城之内を制裁することは正しい、
ということなのだ!!
一理ある、棚上げの真理
今回のパワーワード!! は非常にポジティブな表現です。
しかし、ネガティブな表現をすると「自分のことを棚上げして、何言っているのか」ということになります。これは自分が出来ていないことに対して、他人にとやかく言う資格はない、という意味かと思いますが、果たしてそれが正しいでしょうか。
人間である以上、完璧な清廉潔白な人はいないと思うのです。
誰もが、何か正義を発動するときに、少しづつ自分を棚に上げながら行動しているのではないでしょうか。
確かに、普段ポイ捨てをしている人は他人のポイ捨てを注意しにくいでしょう。
しかし、ポイ捨てが悪いことであることは誰もが理解しており、それを注意することに異を唱える人はいないはずです。
また、運動が苦手でも知識があればアドバイスはできます。でも、人は自分でできていない人からのアドバイスを認めたがらないものだと思います。しかし、それは単にその人の器量の狭さであり、アドバイスする行為そのものを否定するものではないのです。
正義が執行される限り、この考えはアリだ!!
もっとポジティブに自分の心の棚を活用すれば良いのではと思います。
「自分のことを棚に上げて、何言ってんの?!」
この言葉の裏で、どれほどの積極的な行為が行われずに潰されてきたのか。
物事は何事も実践することが大事です。
” 心に棚をつくれッ!! “
迷ったときは、このパワーワード!!を思い出して、積極的にいいことをしていけば良いのではと思います。但し、その行為に説得力が出るかもまた自分の普段の行い次第なので、自分磨きも忘れずにいきましょう。
「炎の転校生」の原作マンガ(電子書籍)はU-NEXTで配信中のようです。興味がわいてきた方は是非、観てみて下さい。正に名言(迷言?)の宝庫です。(※本ページの情報は2020年10月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください。)
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