” たとえ正体がなんだろうと迫害なんざするもんかいっ!!! ” ~「ダイの大冒険」から「ジェンダーレス」の考え方を学ぶ~

ダイ名言


TVアニメ「ダイの大冒険」
も「竜(ドラゴン)の紋章」の謎が明かされて、いよいよ本題に入った感がありますね。ここからポップの成長と男前っぷりが加速度的に増していく「ポップの成長譚」が始まります… また、それは別の話… かな。

今回はポップのこれまでの冒険による人間的な成長を感じさせる名言(パワーワード)から「人としてあるべき考え方」を考察し、更に少し飛躍して最近、話題の「ジェンダーレス」の考え方について学びたいと思います。

” たとえ正体がなんだろうと迫害なんざするもんかいっ!!! ” ~マンガの名言から人としてあるべき考え方を学ぶ~ -ドラゴンクエスト ダイの大冒険 9巻:魔法使いポップ-

ベンガーナでの竜の軍団との戦い。
紋章の力を発動させて驚異的な力を見せて街の人々を救ったダイ。
しかし、人々の反応は称賛ではなく、ダイに対する畏怖だった。
そのあまりにも人間離れした力は、恐怖にしか映らなかったのだ。

ダイたちは紋章の謎に迫るべく「神秘の国 テラン」に向かう。
テラン聖域の湖の底にある神殿に入ったダイは、驚愕の真実を知る。

それは、ダイは “伝説の竜(ドラゴン)の騎士” であるということ。

額の紋章がその証。
「竜(ドラゴン)の騎士」とは「竜の神と 魔の神と 人の神 三つの神によりはるかな太古に生み出された究極の生物」「竜の戦闘力と魔族の魔力、そして人の心を持つ生物」、つまり “竜(ドラゴン)の騎士は人間ではない” のだ。

そこに現れた魔王軍六大団長の一人 超竜軍団長の竜騎将バラン!!
竜(ドラゴン)の騎士のことをよく知るバランは、ダイに忠告する。
ダイが成長し竜の力が目覚めるにつれ、人々はダイを恐れ迫害する。
そして、その時に地獄の苦しみを味わうのはダイ自信であると…。
そして、それは直前のベンガーナの戦いでダイが実感したことそのものだったのだ。

その時、傍らで話を聞いていたポップが叫ぶ!!

“ふざけんじゃねぇっ!!! “
“ダイはおれたちの仲間だぜ!! “
“たとえ正体がなんだろうと迫害なんざするもんかいっ!!!”

「生まれで判断しない」=人として持ちたい考え方

このシーンでのポップの台詞は、ストーリーの流れの中での熱血ワード的なものなのですが、実は現在の世界でより重要視されつつある考え方を表現していると言えます。
この名言(パワーワード)には「人を生まれで判断するのはやめよう」というメッセージが感じられます。

つまり
人の価値は生まれではなく、その人自身がどういう人物なのか。
人の価値は、その人がこれまでに何をしてきたのか。

という本質や事実が重要ということです。

大きいテーマで言うと人種差別。
もう少し小さい規模だと生まれや貧富を根拠にしたいじめやスクールカースト的な考え方。

こういう生まれ落ちた時点で、自身ではどうにもできないことに基づく差別的な考え方は持つべきではないし、そういう考え方は視野を狭め、可能性を狭めるということに気付くべきなのだと思います。

広まる「ジェンダーレス」の考え方

ちょっと論点はズレるかもしれないですが、今回のポップの名言から考察をしていくと、最近「ジェンダーレス」という言葉をよく聞くのではないでしょうか。

「ジェンダーレス」とは、簡単に説明すると「生物学上の性別によって男女の性別を決めるのをやめよう」という考え方です。

身体は男子だけど心は女子、もしくはその逆、という人は、実は世の中にたくさん居ると言われています。
そのことを公言することで社会的に不利益があると思っているからで公けにできないのです。
つまりその「社会的不利益」を無くせば、そういう人たちも もっと自分らしい幸福な生き方ができる、そういう社会にしようじゃないか、という考え方が急速に広まっているのです。

「ジェンダーフリー」「ユニセックス」との違い

「ジェンダーレス」と似た言葉で「ジェンダーフリー」「ユニセックス」などがあります。
併せて、知っておくことで、それぞれの本質をより理解できるのではないかと思いますので、本当にごく簡単に説明しておこうと思います。

●ジェンダーレス
 生物学上の性別によって男女の性別を決めるのをやめよう、という考え方
●ジェンダーフリー
 男女の性別によって与えられる機会に差がでるのを無くそう、という考え方
●ユニセックス
 主にファッション業界で使う言葉。男女どちらでもOK、男女共用、的な意味


「ジェンダーレス」は本質的な男女の性別の決め方に問題提起をしているのに対し、
「ジェンダーフリー」は男女の性別による社会的な差別に対して問題提起をしています。
「ジェンダーフリー」でいう「男女の性別」は生物学的な決め方でも、ジェンダーレスでの決め方でも、どちらでも関係ないです。男女の性別決定の根拠は関係なく、その結果決めた男女が平等であるべき、という考え方です。
「ユニセックス」は問題提起ではなく、男性にも女性にも受け入れられるデザインということで、どういう根拠で男女の性別を決めたのかということは関係ありません。

マンガの名言(パワーワード)と紐づけることで、こういう重要な新しい考え方の理解も深まるのではないでしょうか。
ポップの名言と「ジェンダーレス」ではちょっと趣旨が違う気がしますが、むしろこういう「違和感」があった方が頭に引っ掛かりやすかったりして覚えていられるような気がします…

「ダイの大冒険」~アニメ・原作マンガを観るには~

「ドラゴンクエスト ダイの大冒険」のアニメはU-NEXTで配信中です。
1991年の1作目のアニメも配信されていますので、比較して観たいマニア嗜好の方にもオススメです。
原作マンガも単行本の電子書籍を配信しているので、購入して観れますよ。※本ページの情報は2021年3月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください。)

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単話で原作マンガを読むなら、「ジャンプ+」で読めます。
「少年ジャンプ+」
(今回紹介した名言(パワーワード)や名シーンは、第83話「竜騎将の正体」に登場します)

「ドラゴンクエスト ダイの大冒険」(監修:堀井雄二、原作:三条陸、作画:稲田浩司)は、1989年から1996年に週刊少年ジャンプで連載されたマンガです。単行本は最初のジャンプコミックスで全37巻。1991年にTVアニメ化もされています。

「ダイの大冒険」は連載当時から名作でしたが、時代を超えて読み直すことで、その時代に合わせた新たな発見や気付きを与えてくれるのが面白いですね。
そういう時代を超えた発見があるのも、きっと本質的に事象を突いた作品だからなのではと思います。

ではまた、次回。

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