光明のパワーワード!! ” あとは 勇気だけだ!! “

パワーワード!!

作品紹介を簡単に…

「サイボーグ009」は言わずと知れた石ノ森章太郎先生の代表作の一つでライフワークとも言われてた作品です。
悪の秘密結社 黒い幽霊(ブラックゴースト)にサイボーグに改造された9人の戦士が組織を裏切り、正義のための戦いを繰り広げます。9人の能力の個性が秀逸。赤い戦闘服に黄色いマフラーのコスチュームのデザインも秀逸です。
未完のまま石ノ森先生は亡くなってしまいましたが、2012年に実子の小野寺丈氏が完結編である「2012 009 conclusion GOD’S WAR」の原作を書き上げ、マンガ化もされて完結しました。

「サイボーグ009」は〇〇編と呼ばれるいくつもの個別完結エピソードから成り立っています。今回は後に「ミュートス・サイボーグ編」と呼ばれるエピソードより、主人公・009からのパワーワード!!です。

敵は神?! 絶体絶命のピンチ

今回の敵は「ミュートス・サイボーグ」。
彼らも実は黒い幽霊(ブラックゴースト)のサイボーグ。それぞれにアポロン、アキレス等の髪の名前が与えられ、それに因んだ能力が与えられている。
009たちは「ゼロゼロナンバー」と呼ばれる実験用サイボーグ。ミュートス・サイボーグは、009たちよりも遥かに完成度の高いサイボーグだった。

ミュートス・サイボーグとの戦いが繰り広げられる中、009は主力の一人、太陽神の名を冠する「アポロン」との一対一の戦闘になる。
アポロンの能力は灼熱。身体表面は3,000℃まで上げられ、掌からは6,000℃の熱波を出し、指先からは8,000℃の熱量のレーザー光線を出せる。更に、009と同じく加速装置も持っている。

対する009の能力は加速装置のみ。これまでの戦いもこの加速能力を武器に勝利してきたのだ。加速能力においても優位に立てない009は窮地に陥る…

絶望を切り拓く” 鍵 “

武器を捨て、お互いのサイボーグとしての能力で身体だけで戦おう、というアポロン。
そして自分の能力である灼熱の技を披露していく。
「さて! それではおまえの能力は…? まさか加速装置だけというんじゃないだろうな」

圧倒的に不利な状況の中、決意の表情で009が言う台詞。それこそが

” あとは 勇気だけだ!! “

その言葉通り、009は自分の正義を貫くために、勇気を持ってアポロンとの戦いを継続するのだ。しかし、結果はレーザー光線を背中から貫かれて海に転落してしまう…

圧倒的な台詞の力

今回のパワーワード!! は色んな漫画家さんやライターさんが「名言」として取り上げる台詞でありシーンです。アニメ化においては、どのように描かれるのか注目されるような名シーン、と世間では認識されています。
しかし、原作マンガにおけるこのパワーワード!!のコマは驚くほど小さいのです。

理由は二つあると思っています。
一つは、まだ、この頃のマンガでは広さや大きさを表現するときには大ゴマを使っても、決め台詞等のソフト的な理由で大ゴマを使うという表現手法が確立していなかったのではないか、ということ。
もう一つは、決め台詞のつもりではなく、ストーリー展開の中で自然と出た台詞だったのではないか、ということです。
よくマンガ家の先生が「キャラクターが勝手に動いた」とおっしゃいますが、これもその類で、マンガの中の009が勝手にしゃべった台詞なのでは、とも思えます。

そして、こんなに小さなコマなのに、圧倒的な印象を残すのは、それが真実・核心を突いた言葉だからなのではないでしょうか。真の名言に演出の大小は関係ないのかもしれません。

狙った決め台詞でなく、キャラクターが自然に放った核心を突く言葉、
それ故に深く心に刻み込まれる言葉、
これこそが、真のパワーワード!!だと感じずにはいられません。

勇気に年齢は関係ない

” あとは 勇気だけだ!! “

とてもシンプルで、とても元気づけられる言葉です。

絶望の状況にあっても、「まだ、勇気が残っている」と前向きな思考にしてくれます。また、何か大きな決断をする時にも勇気が必要です。死中に活を見出したなら、勇気を持って踏み出さなければいけない。他のボクシングマンガでも「カウンターのコツはタイミングと勇気(ハート)」と言っています。つまり、そういうことだと思います。

そして「勇気」というものは、誰もが年齢に関係なく心の奥底に持っているもの。世代を超えて通用する言葉だからこそ、四半世紀を超えてなお、名言として語られているのだと思います。
何歳になっても勇気さえあれば、新しいチャレンジが出来る、そんな気持ちにさせてくれるパワーワード!!です。

「サイボーグ009」の原作マンガ(電子書籍)やTVアニメ、劇場版アニメ等はU-NEXTで配信中のようです。興味がわいてきた方は是非、観てみて下さい。(※本ページの情報は2020年10月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください。)

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