勝負のパワーワード!! ” 敵をのんでも、のまれるなッ!! “

パワーワード!!

作品紹介を簡単に…

「逆境ナイン」は島本和彦先生の代表作の一つです。
小学館発行の単行本は全6巻と多くないですが、実写映画にもなった程の作品です。
舞台は「全力学園高校」、主人公は野球部キャプテンの「不屈 闘志」。
迫りくる数々の ” 常識を超えた(非常識ではない) ” 逆境をはねのけながら、全力学園野球部ナインが甲子園を目指す、というストーリーです。

今回は全力学園野球部のサカキバラ・ゴウ監督からの勝負の場面で使えるパワーワード!!です。

敵を知り、準備万端のはずが…大ピンチ!!

甲子園予選大会、駄麻下(だました)高校と当たった全力学園は事前にスパイを送り込み、完璧な攻略法を見出し、練習も重ね、正に盤石な体制で試合に臨んでいた。
彼らは ‟敵を知り己をしれば、百戦して危うからずや” という孫子の兵法を実践していたのだ。…しかし…

いざ、試合になると、完璧だったはずの攻略法が全く通用しない…!!
それどころか、その攻略法を逆手に取られて相手に得点を許していく始末…
そう、駄麻下(だました)高校はその名の通り、‟騙(だま)して” いたのだ!!
嘘の癖や弱点を刷り込み、本番では全く違う本来の戦い方を見せる。駄麻下高校の策略に見事にはまってしまった全力学園はコールド負け寸前まで追い込まれてしまう…

死中に活を見出させたパワーワード!!

そんな大ピンチに登場したサカキバラ監督。
彼は予選突破の願掛けに禁酒をしようとしていた。試合前日は禁酒前の最後と決めて酒をのんでいたが、逆に酒にのまれてしまい大暴れしてしまっていた。
「酒をのんでも、のまれるな」
そう実感した監督は、正にこの場面にこの言葉をあてはめて、ナインに言い放った。

「敵をのんでも、のまれるなッ!!」

この言葉で我を取り戻した全力ナイン。
まず、持ち前の迫力で駄麻下商業を再びのんだ後、怯(ひる)んだ相手ピッチャーに集中砲火(正に集中砲火)を浴びせて大逆転勝利を手にしたのだった。

事前の研究や対策はもちろん大事だが…

この言葉はあらゆる勝負の場面で使えるパワーワード!!だと思います。
試合のようなわかりやすい勝負だけでなく、学生だと試験や成績獲得、社会人になってからの商談やプレゼンなどでも効力を発揮すると思います。

よく「敵にのまれて負けた」「雰囲気にのまれて失敗した」というようなことを聞いたり、実感したりすると思います。
今回の「敵をのんでも~」も、敵に該当するモノにのまれないように気合を入れて臨むことが大事、ということを言っているようにも思えますが、実はもう一歩奥が深いような気がします。

まず、大事を成すに際して重要なことは、研究し分析することです。
試合なら相手のデータ、試験なら範囲と出題の傾向、成績なら先生の思考、商談やプレゼンなら誰が出席してどういう質問を受けそうか。
これが「敵をのむ」ことであり、本気で勝利を目指すなら最低限やらねばいけないことだとも思います。

そして当然、対策を立てるのですが、ここにポイントがあると思います。
つまり、自分の能力的にできないことを対策にいれても無意味ですし、自分にできることであったとしても、敵に合わせることばかり考えて、自分の長所を埋没させてしまうようでは良い対策・作戦とは言えないのではないか、ということです。

敵を研究して、その対策の実践にばかり気を取られて、結局自分の実力を発揮できずに終わってしまったら悔いが残ります。また、何か不測の事態が起きたときにも対応できないかもしれません。
正にこれが「のんだはずの敵にのまれた状態=分析した敵の情報に振り回されて本来の力を発揮できていない状態」です。

敵にのまれない、最良の対策の考え方

” 敵をのんでも、のまれるなッ!! “
この言葉の真の意味は、

「敵の分析を充分にした上で、自分の長所をどう活かすか」

ということではないでしょうか。
自分の長所を活かして、自分らしさを持って勝てたなら、更に嬉しさは増すでしょう。

(「敵をのむ=事前の分析」にばかり時間をかけすぎて、対策を考える時間がなくなる、というような本末転倒なことも起きがちなので、注意しましょう)

「逆境ナイン」の原作マンガ(電子書籍)はU-NEXTで配信中のようです。興味がわいてきた方は是非、観てみて下さい。(※本ページの情報は2020年10月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください。)

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