スポーツマンガでは、そのスポーツの魅力・面白さをズバリ言い当てるような名言(パワーワード)が生まれたりします。5回に渡り「スポーツの魅力を言い得たマンガの名言(パワーワード)5選」として紹介していきます。
第3回の今回は、車田正美先生のボクシング(?)マンガ「リングにかけろ」からです。
スポーツの魅力を言い得たマンガの名言(パワーワード)5選 ③ 【ボクシング】” 左を制する者は 世界を制す ” -リングにかけろ 25巻:高嶺竜児・剣崎順 他-
主人公・努力の男 高嶺竜児と、自他ともに認める天才児・剣崎順。二人は「黄金の全日本Jr.」として共に戦った仲間であると同時に、小さい頃からの宿命のライバル。
先にプロ入りした剣崎は、そのデビュー戦が世界タイトルマッチ。そしてその戦いに勝利し最強の世界チャンピオンとして君臨し、無敗のまま竜児のプロ入りを待つ。
1年後、プロ入りした竜児。そしてそのデビュー戦が、宿命のライバルであり、今や史上最強の世界チャンピオンである剣崎順との世界タイトルマッチに決定した。
高嶺竜児の左腕には必殺のスーパーブロー「ブーメラン・テリオス」が宿っている。また、剣崎順の左腕にも同じく驚愕のスーパーブロー「ギャラクティカ・ファントム」が宿っているのだ。正に「左を極めた者」同士の世界タイトルマッチ。
試合開始直後から左ジャブの応酬を繰り広げる二人。「左を極めた者」の左ジャブの差し合いは一般人の目で追えるものではなかった。それを見たセコンドの志那虎一城は感慨深くつぶやく。
” 左を制する者は 世界を制す…… “
” まさしくふたりは左を制し… 世界を制しやがった……………… “
ボクシングに限らない「左」の重要性
「左を制する者は 世界を制す」
ボクシングにおいて右利きのオーソドックススタイルの場合、左腕を前に斜に構えます。そしてそこから繰り出す左ジャブ(ショートストレート)は、攻撃であると同時に相手との距離を測る手段なのです。
また、牽制の意味もある左ジャブを効果的に使えば、相手を懐に入れさせずに、自分が得意な距離で戦うことが出来ます。左ジャブで相手をコントロールしながらダメージを積み上げる、そしてしっかりと距離とタイミングを計って利き腕である右の強烈なパンチで勝負を決める。
利き腕を活かすには、左の使い方が重要と言われているのです。
こういう考え方は社会や会社で活躍するうえでも有効なものだと思います。
誰もが得意な分野というものは持っていると思いますが、その活かし方が重要だということです。得意分野でより強烈な印象を与える、得意分野で勝負できるように物事や議論を誘導する、そのために事前の小技・準備が重要であるということです。得意技をより派手に魅せる、そういう演出も成功する上では必要だったりするのです。
「リングにかけろ」とは
「左を制する者は 世界を制す」
この言葉は「リングにかけろ」でも初期から何度も出てくる言葉で、主人公・高嶺竜児のボクシングにおける行動理念でもあります。1巻から出てきている名言(パワーワード)ですが、今回はあえて、25巻の最終決戦の場のものを引用させてもらいました。これまでのストーリー展開や激闘を積み重ねた上での「左を制し 世界を制した」っていう台詞が、なんとも含蓄ある味わいを感じ得ないのです。剣崎は実は左右の腕、両方にスーパーブローを持っていますが(左の方が強力)、竜児はここまでで修得したスーパーブローは全て左腕だったりします。「左を制する者は 世界を制す」という言葉を実行しすぎているのです……
「リングにかけろ」は1977年に始まった週刊少年ジャンプのマンガです。ジャンプ・コミックスで全25巻です。正に一世を風靡する大人気を博し、何と最終回は巻頭カラーという人気絶頂で完結した伝説の作品です。(「ドラゴンボール」「SLAMDUNK」以降、カラー最終回は多くなりましたが、それまでのジャンプで巻頭カラー最終回は「リンかけ」以外ないハズです) 2004年以降何度かアニメ化もされています。2000年には続編「リングにかけろ2」が発表されています。
車田正美先生は「聖闘士星矢」で日本中に大ブレイクを起こしますが、ボクの評価では作品的にはこの「リングにかけろ」が車田正美先生では断トツNo.1です。
本ブログでも別の名言(パワーワード)を紹介していますので、良かったらそちらもご覧ください。
悟りのパワーワード!! ”たった一度の今日という日!”
「リングにかけろ」のマンガは1も2もU-NEXTで配信中のようです。今回の記事で興味が出て来た方は是非、観てみて下さい。(※本ページの情報は2020年10月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください。)
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