” ”くらってもかまわん” という覚悟で おまえの攻撃をうけている!! ” ~「ダイの大冒険」の名言が教える戦いの極意~

ダイ名言

TVアニメ「ダイの大冒険」は、いよいよ魔剣戦士ヒュンケルと竜騎衆の一人 陸戦騎ラーハルトが激突!! 大魔王バーンとの最終決戦まで絡んでくる重要なエピソードです。
“剣 VS 槍” という見た目にも違いが分かり易い図式で、かつ、ラーハルトの颯爽としたスマートな強さが印象的で、そのストーリー性も相まって「ダイの大冒険」の中でも好きな戦いの一つです。

今回はそんな名バトルが教える “戦いの極意” です。

” ”くらってもかまわん” という覚悟で おまえの攻撃をうけている!! ” ~「ダイの大冒険」の名言が教える戦いの極意~ -ドラゴンクエスト ダイの大冒険 11巻:魔剣戦士ヒュンケル-

竜騎将バランの直属の部下。3人の屈指の空海陸のドラゴンライダー それが “竜騎衆” 。
そしてその3人の中でも更に別格の強さを持つ “陸戦騎”ラーハルト。

竜騎衆との戦いは、ポップがヒュンケルの助けを借りて、”空戦騎”ガルダンディーを倒し、ヒュンケルが “海戦騎”ボラホーンを圧倒的な力の差でねじ伏せ、”陸戦騎”ラーハルトを残すのみ。

戦いが始まろうとした時、衝撃の事実がラーハルトから告げられる。
何と、ラーハルトが持つ武器は「鎧の魔槍(よろいのまそう)」。
ヒュンケルの「鎧の魔剣」と同じ名工が作った兄弟武器とも言えるものだった!!

“鎧化(アムド)!!!”

ヒュンケルの鎧と互角の能力を持つ鎧をまとったラーハルト。
そして余裕の笑みを見せながら告げる。

“…これで互角だ いや 腕はオレの方が上だから オレが有利かな…?”

魔剣戦士ヒュンケル VS 陸戦騎ラーハルト。
剣 VS 槍 の戦いの火ぶたが切って落とされた!!

剣 VS 槍!! パワー VS スピード!!

ラーハルトの強さは凄まじいものだった!!!
とにかくスピードが桁違い。
その速さはアバン流の最速秘儀「海波斬」でも捉えられない程なのだ。
「力(パワー)だけはある」とラーハルトに言わしめるものの、その力(パワー)も命中しなければ意味はない。
起死回生を狙った捨て身の攻撃も読まれ、万事休す。
ラーハルトの最大の一撃「ハーケンディストール」を喰らい、圧倒的な力量の差を持ってヒュンケルは敗れた。

覚悟が開眼させた “見切り” !!

瀕死のヒュンケルだったが、それでも人類の希望 ダイを守るために立ち上がろうとする。
その時、ラーハルトから中立なはずの竜(ドラゴン)の騎士であるバランが何故、あれ程までに人間を憎むのか、その理由を教えられる。

バランが人間に絶望した理由を知ったヒュンケルは再び立ち上がる。
何故なら、彼もまた かつて人間に絶望したことがあるから。
そして、そんな彼に仲間たちが人間の素晴らしさを教え、立ち直らせてくれたから。
同じ経験を持つ自分だからこそ、バランに伝えられることがあると。

ヒュンケル VS ラーハルト… 第2ラウンドが始まる!!

今度のヒュンケルは、身体も鎧もボロボロにも関わらず、人が変わったようにラーハルトの攻撃を紙一重でかわしまくる!!
驚愕するラーハルト!! いったい、何故⁈

“おまえの攻撃は見切った!!”

“正直 今までのオレは おまえらを倒し バランと対戦する時の余力ばかりを考えていた… だから 必要以上に大きな間合いで おまえの攻撃をかわそうとしてしまったんだ”
“しかし 今は “くらってもかまわん” という覚悟で おまえの攻撃をうけている!! それゆえ 紙一重で 致命傷だけはさけられるようになった!”

悟りを拓いたヒュンケルの真の反撃が始まる!!

戦いの極意は “紙一重” それは “勇気を持って覚悟を決める” こと

今回のヒュンケルの名言(パワーワード)及び、名バトルは正に “戦いの極意” を分かり易く表現している… というかモロに解説までしてくれています。

実力が伯仲した戦いにおいては、ピンチとチャンスは表裏一体

ボクシングにおける必殺技「カウンター」は、相手の渾身のパンチを紙一重でかわして、自分のパンチをぶち込みます。相手のパンチにくる勢いと自分のパンチを打つ勢いの正面衝突を相手に喰らわすのがカウンターなので、威力は絶大となります。
しかし、カウンターは本当に危険なパンチで、失敗して、この “正面衝突” が自分に降りかかる可能性もあるのです。そうなると被害甚大なのは自分になる訳です。「相手のパンチを喰らうかもしれない」という恐怖心を克服しないと打てない必殺パンチなのです。

剣道においては「出鼻技」というのがあり、相手で打突に出た動き出しの瞬間に自分の打突を決める技です。特に「出鼻面」が今回の名言に該当します。
剣道は相手の動き出しを狙うのがセオリーの一つなので、相手もフェイントを仕掛けて来て打たせようとします。このフェイントに引っ掛かって “引き出された” 形で打ちに出てしまうと、逆に相手の出鼻小手とかを喰らいます。
しかし、自分の気持ちが真に充実し「出鼻技を打てるものなら打ってみろ」という気概で集中していると、相手のフェイントの動き出しを捉えて「出鼻面」が決まったりします。相手も面打ちや小手打ちに来ますが、それこそフェイントの動きから打突に切り替わる “紙一重” の瞬間の立ち遅れの差で潰されることがよくあります。

本ブログのテーマであるマンガから例を出すと、「ダイの大冒険」と同じく往年のジャンプの人気マンガ「るろうに剣心」では「天翔龍閃(あまかけるりゅうのひらめき)」という奥義が登場します。
先述の剣道の「出鼻技」とイメージは似ていて、互角の力量を持つ強敵と相対したとき、超神速の抜刀術で敵の最大の一撃という技の発生前に斬り込む、という技です。これも相手の技の速さに負けて攻撃を喰らうかもしれないという恐怖に打ち勝ってこそ決めることが出来る技でした。

どれも「打ち負けるかもしれない」という恐怖に勝つことが必要なわけですが、ここで重要なのは「単なるヤケクソではない」ということです。
極限の勝負において「捨て身で勝負を仕掛けるしかない」という発想にはよくなるんですが(ボクだけですか?)、どこかで「それでも勝てないだろうな」と思っていたりします。「最後に捨て身で勝負を仕掛けて負けたとしても仕方ない」とどこか、自分自身への体裁を考えたりしちゃうんですよね。
こういう気持ちで「捨て身」を仕掛けても、まず成功しません。

必要なのは「”技を成功させる” という”明確な意志”」です。

先の「るろうに剣心」でも「天翔龍閃(あまかけるりゅうのひらめき)」を撃つ時は「生きる意志」が何よりも重要だと語られているのです。「命を懸けて、たとえ死んでも勝負に勝つ」ではなく「この勝負に勝って絶対に生き残る」という決意が重要なのです。

” 生きようとする意志は 何よりも強い… “~「るろうに剣心」 比古清十郎 ~

これは勝負事全般に共通する真理と言えるでしょう。

名言(パワーワード)あふれる「ダイの大冒険」を観る・読む方法

「ドラゴンクエスト ダイの大冒険」のアニメはU-NEXTで配信中です。
1991年の1作目のアニメも配信されています。丁度、今のアニメで放送中の「バラン編」が最終章になるので、見比べてみるのも面白いかもしれないです。
原作マンガも単行本の電子書籍を配信しているので、購入して観れますよ。※本ページの情報は2021年4月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください。)

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単話で原作マンガを読むなら、「ジャンプ+」で読めます。
「少年ジャンプ+」
(今回紹介した名言(パワーワード)や名シーンは、第100話「起死回生」に登場します)

「ドラゴンクエスト ダイの大冒険」(監修:堀井雄二、原作:三条陸、作画:稲田浩司)は、1989年から1996年に週刊少年ジャンプで連載されたマンガです。単行本は最初のジャンプコミックスで全37巻。最近では「新装特装版」が発売中ですね。連載当時のカラーページがすべて再現されているようです。書下ろしの表紙も必見です。

初期アニメでは到達しなかったエピソードに突入し、先の展開を知っているからこそ期待感が高まります!!

ではまた、次回。

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